想像してみてください。

いろいろ探して被災地への足を確保した、一つはmy日本「櫻寺和尚」さんがオフロードバイクを貸してくれる事に!!「櫻寺和尚」さんは仙台市中心部のお寺の住職さんで、既に被災して自宅を失った檀家さんを受け入れている。そういえば昔から日本の神社仏閣は大きな災害や飢饉のたびこの様な役割を忠実に行って来たんだと思い嬉しくなった。また地元の福祉関係の学校が石巻へのボランティア送迎を始めてくれたので、それを活用したりしながら主に泥との戦いをしている。ようやく水の引いた被災地にはたっぷり水を含んだ泥が10〜15cm、場所によってはワラが混ざったりしてシャベルが刺さらない、、、、体育会系の私でもこれはキツイ!!(年!)町には高齢のお年寄りしか住んでない家も多い、自衛隊もこれらの撤去に汗を流している、頼まれた事は妥当性の無い事でもやるのが自衛隊の良い所だ、家具の拭き掃除なんかもやってるし、、、
(写真は児童の7割が亡くなった大川小学校の近く、海岸から5kmほど内陸にも関わらず大きな被害が出てしまった)

今日から4月、本来なら様々な新しい生活が始まるのだが、それが出来ないでいる人達が多く居る。今日の新聞では避難者数18万人程、実際は半壊の自宅に帰り、積もった泥と格闘している人がこれと同数いるはずだ。先日から石巻の大型スーパーも営業を始め、多くのボランティアも入り始めた、でも水道はまだまだ見通しが立たない。
多くのメディアが「復興」について語りはじめているが、大きな間違いだ、この災害は未だに「緊急」を要する、対応を間違えるととんでもない社会問題になるだろう。
PTSD心的外傷後ストレス障害)というものは一世紀ほど前なら「戦闘神経症」などと呼ばれていた。戦闘による恐怖体験が元で精神的障害を蒙ってしまう、これをより医学的に研究し始めたのはアメリカがベトナム戦争で大敗し、多くのベトナム帰還兵にこれらの症状が原因の社会不適応や犯罪者の増加が社会問題になったのがきっかけであった。
これから遅れる事約20年、日本においても阪神大震災後多くのPTSDリスク被災者が問題になり、医療や災害対応を行うにあたっては常識となりつつあるようであるが、まだまだ一般には馴染みがない、さらにはっきり言うなら政府にその認識が全くないと言わざるを得ない状況が発生している。

ちょっと想像してみてください、、、
M9.0の大地震と大津波による生命の危機という恐怖体験、家族・親しい知人友人の死・行方不明、住む家・財産を無くした状態で、ダンボールで仕切りを作った避難所に半年生活して貴方は正気を保てますか??おそらく大多数の人が精神に何らかの問題を抱えるのが普通で健全な精神の持ち主なら耐えられない出来事が起こっているのは明白ですよね。
今回の災害が起こって2週間経っても避難所に居た25万人の避難者がそういった状態にあるということです。この25万人と言う数、現在の自衛隊の実員がこれくらいですが、世界の標準的軍隊ならこのうち9割は後方支援などで実際現実的な恐怖体験リスクがあるのは1割、つまり25万人のPTSDリスクを抱えるには250万人、現在の自衛隊の10倍規模で戦争を行った時と同じだけのPTSDリスクを現在日本は抱えているという事です。
それから私が非常に危惧するのは、東北の人が非常に我慢強い点です。PTSDに関しては我慢せず泣いている人の方が安全、我慢強い人程症状が出るのが遅く酷くなるのがこれの厄介な所です。
一刻も早く、このPTSDハイリスクの人達を被災地から引き離し、電気ガス水道のある三食暖かいご飯の食べれる所で、専門的なメンタルケアを受けさせる事が「緊急」の課題です。
被災者が「復興」という目的を明確に持っていられる内がデッドラインだと思います。