歴史に学ぶ

東京裁判において侵略戦争の共同謀議をうたった起訴状の内容について、訴追された28名に名を連ねる賀屋興宣元蔵相は「なにせ、あんた、ナチと一緒に、挙国一致、超党派的に侵略計画をたてたというんだろう。そんなことはない。軍部は突っ走るといい、政治家は困るといい、北だ、南だ、と国内はガタガタで、おかげでろくに計画もできずに戦争になってしまった。それを共同謀議などとは、お恥ずかしいくらいのものだ」(小島襄著「東京裁判」上)といっている。
大東亜戦争の目的や意義はさておき、戦略的に正に四面楚歌という状況を作り出してしまった先の大戦。日本と言う小さな島国が戦闘で勝利する上では「選択と集中」というモノが必須であったはずなのだが、当時の日本はそれが出来なかった。東西南北に敵を作り、拡大した戦線では補給が寸断し戦力は分散し尽くし不要な損耗を強いられたのは否めない。恵まれた時代に生まれた私達の世代がこの事について批判したり、どうこう言う資格が無いのは分っているが、歴史に学び同じミスを繰り返さない努力はしなければならないのではないか?
本来同じ目的をもって活動するモノ同士が、一寸したやり方の違いや価値観の相違で協力できないどころか足を引っ張り合う。実はこう言った事が尖閣問題一つ取ってみても頻繁に起こっている。
「尖閣商標」登録済み 地元水産業への影響懸念 | 八重山毎日新聞社
夫々の思惑と利害の不一致から来る、同じ目的でありながら協力し合えない人々。強大な敵を前に力を合わせる事もせず、敵と如何に戦うか言い争い、主導権を巡って非難合戦を繰り広げる。今の政治も、企業や公官庁も同じ症状なんでしょうね。そして失礼かもしれないけれど、この症状は私達の少し上の世代から団塊の世代にかけて強く現れる様な気がします。正直これでは勝てるモノも勝てません、次世代を担う私達の世代はこのような状態に陥らないよう、そして適切な選択と集中をして少ない戦力を有効に活用できるような「目的に向けて協力する世代」になる様心がけましょう。