いただきます

yaoyorozu20112011-07-10

まずは今回の漁穫、写真は全て一隻の延縄船で捕ったものだ。


キハダマグロメバチマグロ・ビンチョウマグロ・クロカジキバショウカジキ・赤マンボウなどなど。
遠洋漁業のイメージが強いマグロ延縄漁だけれど、漁場が近い石垣では近海でマグロが捕れる。キツイ仕事のイメージはそのままで、朝6時から延縄を仕掛け、約800本の仕掛けを撒く。3時間程の後、仕掛けの回収と共に掛った魚を引き上げ、シメて内臓を出す。漁が終わって仮眠が出来るのは深夜2時頃、翌日5時に起きて同じ事を繰り返す。確かにこれはキツイ、私に声が掛る前、先約で乗った新人君は一日で終わったそうな、、、でもまあ自衛隊的格言で言うなら「飯食って寝れるだけレンジャーよりまし、酸素吸えるだけダイバーよりまし!」って所でしょうか??
しかしながらこのマグロ漁、たった数日で松方弘樹を超える事が出来ると言う利点がある。(なんのこっちゃ!)いつも釣れないカジキ釣り番組で残念感たっぷりの松方さんには申し訳ない位、毎日カジキが釣れる。クロカジキの強烈な引き、バショウガジキの広げた背びれの美しさ、魚雷の様なマグロの姿は魅力というには十分すぎるモノがある。
また後半は釣れた魚をシメさせてもらったが、外房で釣ったタイヤヒラメをシメるのとは訳が違う。体重で言えば小柄な男ほどもある生物だ。返り血を浴び、取り出した心臓はまだ拍動を続けている、、、そう言えば昔、交通事故で心肺停止した患者の心臓を直接マッサージして拍動が戻った時もこんな感じだったっけ(心臓の大きさは随分違うけど)、、、同じ命を頂くことで生命を維持している私達。言葉では分っていたけど改めて「いただきます」の重さを感じる事が出来たのが一番の収穫なのだと思った。
一応船酔いする事も無く、最初の関門をクリアしたおかげで何とか正規で雇ってもらえる事になりそうだ。これで八重山とこの海域で長期滞在しつつ悪さし続ける第一歩が踏み出せそうだ。